ESGアセットオーナーサーベイ2020
カテゴリ:オルイン
種別:一部公開
アセットオーナー(企業年金)にESG投資の取り組み状況や日本版スチュワードシップ・コード(SC)の受け入れ状況を聞いたところ、約6割のアセット―ナーがESG投資に総じて前向きで、ESG投資を行っている投資家に限って見ればパフォーマンスに対する満足度も高いことがわかりました。その一方で、ESG投資に前向きな投資家でも、SCの受け入れに対しては慎重な姿勢であることも浮き彫りになりました。
概要
[実施主体]株式会社想研
[実施時期]2020 年 6 月~7 月
[調査対象]企業年金基金、企業における年金関連部門
[調査方法]メールにて調査フォームを案内
[回収方法]Webフォーム
[回答数]104件
サマリー
- ESG投資をポートフォリオに組み入れている(または採用予定である)アセットオーナーの割合は回答数の60%弱と過半数を超えている。またESG戦略に対する評価も高く、今後も増額か現状維持と答えている。
- ESG投資に対する明確な方針を定めているアセットオーナーは少数であり、ESG投資の特性を獲得することを目的とする「実践先行型」となっている。
- 投資資産クラスでは国内外株がほとんどであり、ESG投資=エクイティ投資にとどまっている。
- 投資していないアセットオーナーは「リターンへの確信が持てない」ことを理由に挙げており、アセットオーナーの模索は続いている。
- ESG投資の理念と実態がいかに整合的に収れんしていくか、そして投資成果の評価をどう確立するかなどが、今後ESG投資が拡大するカギと言えよう。
- 日本版スチュワードシップ・コード(SC)の受け入れを行っていないアセットオーナーは大多数にのぼる。その理由は「受け入れの必要性を感じない」が最大の理由である。また、ESG投資を実施している(予定を含む)ものの、投資方針を持たないことに関係がありそうである。
- その一方で、SCが掲げる8つの原則自体には肯定的なアセットオーナーが過半数以上になり、SCの理念自体は概ね賛同を得られている。この見方としては、8つの原則を運用会社や情報提供会社に賛同してもらうという要望とも解釈することもできる。